香司とは - What's koh-shi

あわじ島の香司

香りのマイスター

香司とは調合から仕上げまで、自らのプライドと磨き上げた技を以って、お香作りに関する一切の責任を担う人のことのことを指します。香司は"香りを司る者"。いわば香りのマイスターです。

伝統の製法と技

淡路島の香は、守り続けた伝統の製法と、厳しい品質管理、そして香司の技と誇りによって生まれます。大量生産では決して真似できない、奥深い香りの世界。香司が作り出すお香は日々の生活の中に心休まる豊かなひとときを演出します。

国内生産の70%を占める淡路島のお線香

淡路市一宮地区の生産する線香の量は日本におけるお線香の生産量の約7割を占めます。今のように淡路がお線香作りで盛んになった裏には、淡路で線香が作られ始めてから日々技術を磨き、品質の向上を目指したお香職人たちのお香に対する真剣な思いがありました。

淡路島のお線香の創始者 田中辰蔵

そんな淡路島特産のお線香は嘉永3年(1850年)淡路市江井の田中辰蔵が当時線香作りが盛んであった、泉州堺でその製造技法に接し、その将来性を期して、熟練職人を伴って帰り、原料の「杉葉粉」を阿波より購入し製造を始めたのが始まりです。

淡路島のお線香発展の背景

淡路島のお線香が発展するには淡路島という土地の気候も欠かせない要因でした。淡路島には中国山地と四国山地の間でできる一種の風洞の一種である「西風」を受けやすい土地であり、製造過程で乾燥を必要とするお線香作りにはこの西風が非常に有益なものとなりました。また、季節風の吹く頃には漁に出ることができなくなるため、必然的に家内工業が発達し、線香職人を生み出しました。

そして線香製造がはじまった当時、江井には軍関係の建物や船倉が設けられ、江井港を利用する船は多数あり、線香作りに必要な原材料の搬入や製造した線香の輸送に便利な立地であったといえます。

さらなる香りを求めて

田中辰蔵からはじまった線香作りが始まって150年余り、製造技術力の向上だけでなく、原材料の輸送網も拡大し、世界中の国から様々な香料を入手することも可能になました。それに伴い、作り出される香りの幅も大きく広がりました。あわじ島の香司はそんな無限に広がる香りの世界を探求し、一人でも多くの方に心休まるひとときを楽しんでいただけるよう、誇りと信念を持ってお香作りと向き合っていきます。

伝統的なお線香の作り方